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ステッパーズ・ストップ


舞踏剣劇つくる

[2017/09/04]


本題

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舞踏剣劇、というLCGを作ってます。LCGというのは蒐集要素のないTCGのことです。TCGというのはMTGとか遊戯王みたいなやつのことです。

LCG、作りたいんですよ。

MTGとかシャドウバースも少しプレイしたことがあって、確かにやってみるとすごく面白いんですけど、カード枚数が多いのが面倒くさくって。1000枚とかあったりするじゃないですか。50枚くらいにしてほしいんですよ。ぼくは。ぼくはですよ。次から次へと環境が変わるのも性に合わない。もっと限定された空間でじっくりがっぷり取り組みたいんですね(力士)。大量にカードを更新するからこその発展性もありますが、それはそれで別の話で。

ぼくの個人的な好みの話をしてるわけなんですけど、似た気持ちを持ってる人は結構いるんじゃないかと思ってます。どうですかね? そんなことないですか? どうですか? わかりますよね?

カードプールは狭くあってほしい。そのうえで奥深くて長く遊べるならそれで良し、逆に短期間でメタの底が割れてしまっても、それならそれでそのゲームは卒業ってことで捨てれば良し、というテンションで。

そういうわけでLCGがやりたいなと。特に、あれがないやつがいいです。MTGの「色」やシャドウバースの「クラス」みたいな構築における組み合わせの制限がないやつ。クラスみたいな概念は広報のシンボルとかコミュニケーションの軸としては優秀と思いますが、この制限のせいでカード枚数が増えてると思うので(そもそもカード枚数を増やしたいんだとは思いますが)。LCGは最近増えてるようですが、この種の構築制限がないものとなるとあまり見かけません。スパ帝国さんの「マゴス」はとても面白かったです。

このあたりがLCGを作りたい動機ですね。はあ〜LCGLCG。

これが現時点のルール。

[2017/09/03] 舞踏剣劇_20170903a

基本ルールがある程度固まってきたところです。現時点でかなり面白くなってるのでいずれは刷って売ろうと考えています。だからこそしっかり調整したい!

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現在強く意識している課題は以下です。

★構築前に先攻後攻を決めるべきか? そういう要望は複数出ているけどあまり気が進まない。なんというか、手札構築は純化させておきたいみたいな。

★先攻有利説あり。後攻のコスト1使用権だけでは不足かもという話です。手札を先攻7枚後攻8枚にする手もあるけど気が進まない。あるいはまた初期パラメータにボーナスをつけるか。

★HPを10⇒15に戻すべきか。プレイ感触はどちらがいいだろう? HPが多ければ先行有利が和らぐかも知れない。しかしかつて斬撃剣が腐っていた持久戦環境になってしまうかも知れない。悩ましい。

ところでフレーバーもどういった方向に張ったものか迷っています。

自分で言うのもなんですけど「回復剣」とか「楯の剣」とかいってどんな剣かさっぱり分からないですよね。クレイジーダイヤモンドみたいにこの不思議な剣で人を斬りつけると傷が癒えますみたいな感じにするのか、「剣」の語義を際限なく拡張してここにある狸の信楽焼も言わば剣の一種ですみたいにするのか……

あとカードの絵。TCGやLCGは架空のハイティーン女子と相性がいいと思うしその方向で行くのも吝かではないんですけど、剣のカードにそれぞれ別のハイティーン女子を描いてしまうと、それを構築して戦うプレイヤーは一体どんな存在になるのか謎なんですよね。前にマーガレットの漫画を描いたときみたいに、剣のイデアたる女子を描くのか。剣の精霊を使役しててプレイヤーは棒立ち、というのもありか。BakaFireさんの「桜降る代に決闘を」はメガミの力を借りて戦うみたいにしてましたが、あれは固有の世界観でこしらえた独自解って感じがしますね。

剣から離れてまったく別のフレーバーにするのも、いいのが思いついたらありですね。

面白いゲームにはなってきました。7枚を選ぶシンプルな構築が、組み合わせとメタを考える戦略性をしっかり備えています。やった!

けどまだまだ調整が終わらない予感がするんですよ。うーん、なんか。構築型の対戦ゲームって調整がやたら大変じゃないですか? 本作は剣カードが18種類しかないのに、だいぶ悩まされています。あちらを立てればこちらが立たなくなるというか、運やプレイの癖も絡んでくるので正解が分かりづらいというか。たんに複雑性が高いのか……

うわああああああああああああ!

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というわけで頑張ってます。ご意見・ご指摘も歓迎です。


蛇足

この章では舞踏剣劇の着想時から現在までの変化を載せて、ルールの改稿を重ねることではじめは欠陥品だったゲームがどんどん妥当性を得ていくのって結構面白くないですかどうですか、という話をします。

最初は本題といっしょだったんですけど、ぼくの過去作(マーガレット)を知っててなおかつカードゲーム制作にも興味がないと分からん文章になってしまった、しかも長いので隔離しました。

前に「マーガレット」という手動のゲームを作ったんですよ。

マーガレットはキャラクターを構築して戦わせる遊びです。細かい特徴やルールはこちらの説明をご覧ください。こいつの自慢はデータの軽さでして、どのくらい軽いかと言うと構築したキャラクターの性能が一行で表記できるほどです。「10/0/0/3/速護熱衝絶」といったふうに。ほんでこれが単純なようで、手前味噌になるんですがなかなか考え甲斐のあるゲームに仕上がっておりまして、以前に何度か大会も開いたりしました。ああ、またやりたいなあ。

それで時々考えるんですよ。このマーガレット、うまく調整すればカードゲームにしても面白いんじゃないか? と。何回か試して失敗しましたけどね。失敗の記録が二点ほど残っていたので置いておきます。本筋とはあまり関係なくて来歴を見せたいだけなので、物好きでなければ読まなくていいです。

[2011/03/01] マーガレットのカードゲーム(タイトル未定)

[2014/01/18] マーガレット・マジカライズド

マーガレット・マジカライズドは、マーガレットの自動戦闘中にプレイヤーがカードで介入して自分の剣師を支援する、という奇怪なコンセプトのゲームです。同時行動処理もあるゲームに二人のプレイヤーが介入するもんだから介入機会(MTGでいうとこの優先権)の処理がもう難しくて難しくて結局投げました(力士)。

マーガレットのカードゲーム化は厳しげだなって思ってたんですけど、今年の5月ごろ、ふつうにデッキ構築にすればうまく行くんでは? と思いついてこしらえてみました。

[2017/05/06] 舞踏剣劇_20170506a

これは後から書き起こしたファイルっぽいので、この時点でタイトルが舞踏剣劇だったかどうだったか。

雑なプロトタイプを作ってすぐ回すのは大事ってことで、マーガレットをとりあえずデッキ構築ゲームの形式にマッピングしてみた感じです。HPとか攻撃力とかのパラメータ1ポイント分は1枚ずつのカードだし、剣も同じくカード。そのカード10枚をデッキとしてキャラクターを構築するイメージ。そしてマーガレットの要である「遅延起動」を実装するためにボルテージというパラメータも足してみました。毎ターン1ずつ増えます。

マーガレットになかった剣としては、自分のボルテージを上げる「加圧剣」、自分のカードを廃棄できる「廃棄剣」というのがあります。あと、手動戦闘するゲームだとHPや素早さを0にする構築を許しても面白くはならなさそうなので、パラメータの基礎値を定めてHP10/攻1/防0/早2としました。

構築に使うカードは全部で41枚。両プレイヤーは18枚ずつを受け取り、10枚のデッキを構築します。残り5枚は使わず非公開です。不完全な情報からメタを読み合うことを意識しています。スパ帝国さん制作の二人用対戦カードゲーム「マゴス」と同じ形式ですね。

ところがどすこい(力士)、さきほどの20170506a版、実際にプレイしてみたらけっこう面倒くさくって。

カードの使用条件を確認するのに、素早さとボルテージの二つを見なきゃいけない、これが煩わしかった。なのでそれらは一つに折りたたんでボルテージだけにして、「カードにはコストが定められており、自分の手番では、その合計がボルテージ以下になる範囲で何枚でも使える」というシステムにしました。MTGでいうところのマナです。単調増加するので仕様としてはシャドウバースとかハースストーンと一緒ですね。いやあ、マナシステムはよく出来てますね。あまりに良く出来てるので取り入れる必然性に逆らえませんでした。

そして調整したのがこちらです。

[2017/05/20] 舞踏剣劇_20170520a

素早さの廃止に伴い加速剣もなくなりました。

またマーガレットには「リミテッド」という「一度しか使えないけど強力な剣」があるために、ドミニオンのようなリサイクル型のデッキ構築には合わないみたいです。じゃあそれならとMTGのような使い切り型のデッキ構築にすると、今度はリミテッドでない剣の扱いに困ってしまう。そういうわけでデッキ構築自体と相性が悪いのだと結論し、手札構築に変えました。最初から10枚全部手にもって戦います。またデッキの概念がなくなったので、内観剣と廃棄剣もなくなってます。

ばらばらだったカード枚数も2枚に統一しました。同じカードが2枚配られたら相手はそれを使えないと判断できます。分かりやすい! ただし重要カードであるHPだけは4枚あります。

あとは煉瓦剣、機構剣なんてのも足しました。煉瓦剣というのは攻撃力を4にする強力なブーストです。機構剣は最近考えた、攻撃力が固定値の斬撃剣です。お気に入り!

あと場に伏せておいて相手の攻撃にレスポンスする「伏せ札」というシステムがあるんですが、支払ったコストからどの伏せ札を置いたかがばれないように、コストを1に統一しました。これはハースストーンでいう「秘策」とだいたい同じですね。しかしこの調整のため、相手の攻撃を反射できる「鏡の剣」というめちゃ強い伏せ札のコストも1になってしまい……

ここまでに出てきた剣は、マーガレットの基本となる15本の剣に含まれるものがほとんどです。そろそろおおまかな形が整ってきたので、マーガレット・ハンドレットやマーガレット2011あたりを見て使えそうな剣をいくつか拾ってってまとめて追加してみました。咲火剣、爆炎剣、闇黒剣、再来剣。ほかにも陽光剣(ターン終了時まで攻撃力+2)、月光剣(ターン終了時まで防御力+2)というのも作ってみました。

HP周りも調整しました。「HP+5」のカードは4枚あるんですけど、これ配られたらどうせ1枚は取るんですよ。HP10では心細いので。毎回ほぼ確定で取るならカードにする意味が薄いので、HPは最初から15にして「HP+5」を2枚に減らしました。

剣カードの枚数は25種類×2枚ずつで50枚になりました。キリが良い。

ほかにもグランドルールを色々整備しました。膠着してもゲームが必ず終わるようにボルテージが9を越えた瞬間爆死するようにしたり、不利な後攻に「いつでも使用コスト+1できる権利」(ハースストーンにもあるやつ)を与えたり。さらにHP、攻撃力、防御力、といったカードも「心臓剣」「動脈剣」「静脈剣」と改名してすべての構築カードを剣に統一しました。

さらに、導入用のサンプル構成も試験的に作ってみました。

[2017/06/17] 舞踏剣劇_20170617b

ユニットを召喚する剣も検討されていますが、処理が面倒そうだったので採用していません。

テストプレイを重ねると、色々と欠点が見えてきます。20170617b版でも致命的だったのが以下二点です。

これらの問題を癒やしたのがこちらです。

[2017/06/22] 舞踏剣劇_20170622a

このバージョンの目玉更新は、構築に関係なく必ず使える基本行動「加熱法」と「加護法」です! うおおおお!

[写真]

このゲームの要となるパラメータ、攻撃力と防御力の上昇手段を保証しつつ、両者の性能を非対称にすることで状況に変化をつけました。

加熱法<コスト1>:攻撃力を1増やす。

加護法<コストx>:防御力をxにする。(xは好きな数値を選ぶ)

どちらのカードも、毎ターン一回まで使えます。

これらを導入するとどうなるか? 攻撃力は安く強化できますが、1ずつしか上がりません。いっぽう防御力は一気に上げられますが、増加ではなく代入なのでコスト節約のため数ターンに一回のペースで増やす動きに落ち着きます。そうなると攻撃側は直接攻撃を叩き込む隙を狙ったり、防御側はそれをどう補うかと工夫することになります。

攻撃力の安定供給が確保されたので、初期値は1から0に変更。また膠着した時の強制終了ですが、ボルテージ過多でいきなり死ぬのはあんまりなのでボルテージが10になったプレイヤーはボルテージ中毒状態(ボル中)になりHPを1ずつ失わせることにしました。後攻不利のフォローは「フリーのコスト1使用権」をやめて、「戦闘開始時に攻撃力か防御力いずれかを選んで1にする」に変更しています。

加熱法と加護法の導入により、動脈剣・静脈剣・加熱剣・加護剣・武力剣・陽光剣が要らなくなりました。役割が回復と大して変わらないので心臓剣(HP+5)も削除、操作がごちゃごちゃしそうな再来剣も削除。25種に膨れていた剣を大幅に間引き、18種×2枚ずつの36枚が選ばれました。

さらに構築する手札は7枚に変更しました。スリム!

基本ルールは徐々に安定を見せてきたので、個々の剣のバランス調整にフォーカスしていきます。

基本ルールが落ち着いてきてようやく気づいたのですが、数ある剣の中でも蠱毒剣がやたらと使われていました。コストはたった1なのに、一度ヒットすれば毎ターン1ダメージが確約されます。治療手段もなし。伏せ札や防御力をくぐり抜けてダメージを与えるのに苦労するこのゲームで永続1ダメージは強い。これだけで10点近く稼がれることもざらです。配られたら必ず採用する。マーガレットとはその重みが違うことにようやく気づき、蠱毒剣のコストを2に上げました。

[2017/06/24] 舞踏剣劇_20170624b

斬撃剣や舞踏剣といった軽い直接攻撃があまりに使われていなかったので、咆哮剣という攻撃力の瞬間強化もつけました。コスト0で飛び出してきます!

また、後攻のパラメータボーナスはやめて、コスト1使用権に戻しています。

このころから、このカードゲームは刷って売る価値がありそうだと思えるようになりました。であればこそしっかり調整したい!

そろそろバランスが取れてきたかな? という気もしてましたが、いやあ、まだまだです。毎回使われてしまう剣がまだありました。機構剣鏡の剣です。機構剣は蠱毒剣と同じくコストを1から2に引き上げました。鏡の剣は「敵の攻撃を反射する」というあまりに強い能力なのですが、伏せ札の仕様上コストは変えられないので、下位互換となる障壁剣に変更しました。障壁剣はダメージを0にするだけです。

それから、咲火剣・爆炎剣・魔法剣・デス剣といった「魔法系」の攻撃ばかりが使われ、直接攻撃があまり使われていないことも明らかになってきました。特に斬撃剣が、いくらコストが低くても威力が低すぎて全く使われない。直接攻撃と魔法系の使用率がバランスするように、色々な剣の数値を調整しました。特に爆炎剣は、コスト3で3ダメージにするか、コスト4で4ダメージにするか……などと迷っていたのですが、そもそもどちらもコスパが良すぎるということに気づき、コスト4でダメージ3としました。

斬撃剣は使われないのでいっそなくすという案もありました。しかし気が進みません。この剣だけは剣の強さを定める軸足として入れておきたいという気持ちがあるためです。斬撃剣が弱いのは持久戦環境になっているからだと考え、HPを15⇒10に変更しました。これは正直冒険で、これでいいのか未だに迷っています。ゲームがサクッと終わるのもいいのですが、数値の上昇を楽しむゲームとしてはちょっと味気ないんじゃないかという気がしてまして。

[写真]

[2017/07/20] 舞踏剣劇_20170720b

また重撃剣は、防御にあまり影響されない直接攻撃ということで、絶対剣と役割がかぶるので削除しています。代わりに破壊剣を入れました。

ほかにも色んな数値をああでもないこうでもないと調整しています。

数値ひとつひとつの変更がもたらす敏感な作用が目立つようになってきました。

蠱毒剣と加速剣が強すぎるようなので、両方ともコスト2から3へ。

咆哮剣(コスト0で攻撃力+1)は癖が無さすぎて判断にハリが出ない感じがあったので陽光剣(コスト1で攻撃力+2)に変更。

それから、唯一のリミテッドでない伏せ札である盾の剣が、安定度が高すぎて必ず採用されるうえにゲーム展開を停滞させていることが分かりました。削除。代わりに泥濘剣という変わり種の伏せ札を入れました。これは攻撃は受けるけどその攻撃に使われた剣を捨てさせられるというもので、破壊剣と同時に採用すれば、相手の手札を枯らせてしまうシナジーがあるかも知れません。

伏せ札がすべてリミテッドとなったことで、駆け引きが正常化してきたように思えます。

[2017/08/25] 舞踏剣劇_20170825a

このころからテストプレイヤーの方から、先攻後攻が構築前に決まっていてほしいと言われるようになりました。正直迷っています。

そして現在の最新版です。

[2017/09/03] 舞踏剣劇_20170903a

加速剣がほとんど使われてないので試しにコスト2に戻し、機構剣はコスト2であっても攻撃力4は大きすぎたので攻撃力3に落としました。

伏せ札も調整しています。鏡の剣の代わりで入った障壁剣もまだ強く、極端な採用率だったのでダメージを半減切捨にする楯の剣にしました。また泥濘剣は相手と1枚相殺になるけど攻撃自体は喰らうためアド損で弱すぎたので、攻撃カードを奪える鹵獲剣という上位互換の剣に変更しました。ほかにも色々な剣の数値いじっています。

20170506aの版と比べると、ずいぶん前進があったなと思います。

あとは冒頭の本題に戻ります。


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