-------------------------------------------------------------------------------- 変動前 -------------------------------------------------------------------------------- 金剛 優志 ： 5/0/0/3/臥竜剣、臥竜剣、激怒剣4、拡散剣、激怒剣4、臥竜剣 習志野　瀬子： 5/0/0/3/導来剣0、黙祷剣、胎胎剣、加熱剣、加熱剣、全体剣 -------------------------------------------------------------------------------- 戦闘開始 -------------------------------------------------------------------------------- 金剛 優志 ： 5/0/0/3/臥竜剣、臥竜剣、拡散剣、激怒剣4、拡散剣、激怒剣4 習志野　瀬子： 5/0/0/3/導来剣0、黙祷剣、胎胎剣、加熱剣、鏡の剣、全体剣 -------------------------------------------------------------------------------- 処理 -------------------------------------------------------------------------------- 習志野瀬子と対峙するその距離約５ｍ。 利根川の開始の合図とともに、高速で瀬子の腕が脈打つように光を放ち始める。 ――導来剣 複雑性が音を立てて唸りを上げ、黙祷剣の持つ理を歪める。 それはまるで仮想の姫、マーガレットの上げる悲鳴のように。 特異点の解消。定式化。派生される剣。 見事な手際だ。 シンガブロッダなどと違い、習志野瀬子はあまりその才をもてはやされることはない。 しかし、その手馴れた手つきには明らかな天賦の才を感じる。 流れるように黙祷剣を胸の前に掲げ、そっと目を閉じた。 彼女の内に別次元の力が満ちる。砕け落ちた黙祷剣に持ち替えて胎胎剣。 そのまま、その力は胎胎剣に流れ込み、剣の存在と引換に彼女の目前に可愛らしい人形が生まれる。 マトリョックスの自動防壁。防御は完璧ってことですか…… マジでガチだわ。 俺はその華麗な一連の動作に見とれながらも二振の臥竜剣を具現化させる。 これから、しばらく、俺は臥竜剣の力で意識を失う。 正直、これほどガチな相手の前で無防備な姿をさらして、平気でいられるとも思えない。 寝てる間にナマス切りにされても仕方ない。 腹をくくって胡座をかき、臥竜剣を地面に突き立てる。 きた……きたきたきたぁ！ 両腕から伝わる甘い痺れが脳みそにビンビンくる。 瞑想とか綺麗事を抜かすつもりはない。 これは麻薬だ。 バイト先で本物の薬をやったこともあるが、アレよりもよほどこちらの方がクる。 力が満ち満ちて、満ちミちたチカラがココロもカラダもカイホウして、 アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ 瞬時に、ブラックアウト。 ――そもそも そもそも、という話をすれば、俺は戦闘時の記憶が全くない。 気づいたときにはいつも相手が倒れていた。 別段、それは臥竜剣を使った時に限ったことではない。 戦闘が始まると、俺の意識はいつも消し飛んでいた。 だから、幼いときはそのことがすごく恐ろしかった。 自分の知らないところで、何かが起こり、何かが終わってしまう恐怖。 俺とは無関係にグルグル回る世界。今でも恐ろしい。 しかし、それもこの学園に来て少しだけ変わったように思う。 同じ力を持った仲間ができた。 ちょっと頭がおかしくてキチガイでそれでも愛らしい友人たち。 今でも距離を置いてしまうけれど、それでも、彼らのおかげで俺は少しだけ変わった。 そう、変わったんだ！ そして、いつものように気がつくと、目の前に黒焦げの死体が転がっていた。 ピンク色の肉が見え隠れし、痛々しく割れたメガネだけが、 それがかつて習志野瀬子だったことを慎ましやかに主張している。 「なんとか、勝ったみたいだな。」 ヒソヒソと声が聞こえた。体育座りで女子たちが小声で会話を交わしていた。 俺は笑顔で周りを見回す。 「おい、勝ったんだし祝福してくれよ。」 無言。周りの奴らはなんだか気持ち悪いヘラヘラした笑顔で俺のことを見ていた。 なんだか、雰囲気がおかしいことを悟った。 また、ヒソヒソと声が聞こえた。 みんなが俺を見ていた。それは幼い頃と同じように俺を阻害し、異物として排除する目。 「なんだよなんだよ、みんな冷てーなぁ、なんにもなしかよ（笑）」 無言。無言。無言。 あぁ、なにこれ？なに？結局昔とおんなじってこと？なにそれ、笑えないんだけど。 おいおいおいおい。 「おいおいおいおい、おいぃ……」 俺は走って逃げた。 -------------------------------------------------------------------------------- 結果 -------------------------------------------------------------------------------- 勝利者：金剛 優志 （処理 ：いか猫） --------------------------------------------------------------------------------