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HP64/知6/技5
・「ハエが止まっているようだぜ」/10/0/5 封印
・「あいつが……守ってくれたんだ」/60/0/11 回復
・「バカな……そのボロボロの体のどこにそんな力が」
「お前には見えねえのかよ……俺を支えている仲間の姿が!」/250/375/103 炎熱
・「今のは攻撃か?そよ風が吹いたのかと思ったぜ」/1/6/1
・「見切った。もうお前は俺には勝てない」/10/0/8 防御無視・封印
・「俺はフェニックス。炎の中から何度でも蘇る」/40/45/20 炎熱・吸収
■定義
「破壊力」は、そのスキルが回復の場合は0、そうでないならばそのスキルの攻撃力である。
「HP減少率」は、そのキャラクターの( HP初期値 - HP現在値 ) ÷ HP初期値である。
■開始ターン
「今のは攻撃か?そよ風が吹いたのかと思ったぜ」。
■常時
前のターンに相手がウェイト1のスキルを使用し、自分のHP減少率が相手よりも少ない場合、「今のは攻撃か?そよ風が吹いたのかと思ったぜ」。
■2ターン目
相手がスキルを構えていなければ、「見切った。もうお前は俺には勝てない」。
■常時
相手の構えているスキルが以下の条件を満たす場合、「ハエが止まっているようだぜ」。
・防御力が0。
・ウェイトが6以上。
■相手の構えているスキルの破壊力が自分のHP以上かつ防御無視、ないしは自分のHPを45以上上回る破壊力の場合
そのスキルの残ウェイトが
19以上:「見切った。もうお前は俺には勝てない」
15以上:「ハエが止まっているようだぜ」
11以上:「今のは攻撃か?そよ風が吹いたのかと思ったぜ」
11: 相手の構えているスキルの破壊力が、自分のHPを60以上上回っていなければ
「あいつが……守ってくれたんだ」
9以上:「見切った。もうお前は俺には勝てない」
6以上:「ハエが止まっているようだぜ」
0以上:「バカな……そのボロボロの体のどこにそんな力が」
「お前には見えねえのかよ……俺を支えている仲間の姿が!」
■100ターン経過後
自分のHP減少率が相手よりも大きい場合、
「バカな……そのボロボロの体のどこにそんな力が」
「お前には見えねえのかよ……俺を支えている仲間の姿が!」
■300ターン経過後
自分のHPが相手よりも少ない場合、
「バカな……そのボロボロの体のどこにそんな力が」
「お前には見えねえのかよ……俺を支えている仲間の姿が!」
■常時
「俺はフェニックス。炎の中から何度でも蘇る」。
男。
無所属。強いていうならエフェクティヴの会合に2度ほど参加したことはあるが、活動する気はない。
弟へ送る手紙の中では、彼は無敵のヒーローだ。
実際に剣を握ったことは一度もないし、握りたいとも思わない。
想像の中で戦うのは好きで、いろんな戦術を考えている。
niv
「ペーーーーーーテーーーーーーーーローーーーーーーーーーー!」
すみれに手を引かれるペテロめがけて、丘の上からライが走り降りてきた。両手を広げて飛び上がるペテロを空中で受け止めて抱きしめる。弟もわかっている。こういうシーンのなんたるかを。彼は上からやって来る兄の胸に飛び込めるように、わざわざ自分の身長くらいある石に上って兄を待ち受けた。
「どうして……」
と驚くすみれに、ライは不自然な速さで振り返り、意図して引き締めた笑顔で答える。
「俺はフェニックス。炎の中から何度でも蘇る」
ペテロを下ろしながら続ける。
「俺の【梟の目<<フェイルセーフ・ナイトウォッチ>>】は伊達じゃねえってことさ」
【コイン女】が夢の中で放り投げたコイン。既に枠外に落ちてライの意識から消え去ったそれを、無意識で作動していた【因果覚】は死に物狂いで追い続けていた。マドルチェが物語から引き戻され始めたとき、無意識は全力で上げた警告の叫びを感じ取り、ライもマドルチェの後を追ったのだ。
「あれはマドルチェが使ってしまったのでは……」
と、s_senが口を挟む。
「ああん?よく読んでくれよ、あれはあげればあげるほど増える魔法のコインだ。マドルチェが使ったってなくなりゃしねえのさ。いくらでも湧いてくる」
「てかメタですか」と既に諦めている200,000。
「打ち切りマンガの方がマシだったわね」なぜかリューシャ口調のやさか。
「残飯を食わされた」とうんざりした顔のやべえ。
「なぜかは言いませんが悲しいですね」普段は口数の少ないeikaも言わずにはいられなかった。
「うるさーーーいうるさいうるさい! こっちは命がかかってるんだ、お前らに残飯食わせて弟を守れるんだったら俺は吐くまで食わせてやるわ!」
「ライ、ライ、ライラライ。今までの話は全部lie。生きるためなら捨てるpride。何でもいいからとにかく生きたい。氷のリューシャもあられ食べたい」ラップするとさつ。跋扈するさまんさ。「覚醒前のスキル名を言ってるってことはスペック元に戻ったのかもなー」と考察に余念のないN.M。小刻みに笑うオトカム。
「整合性とかどうでもいいんですよね」tokunaはもう疲れきっている。
「整合性! 整合性だと! 俺が死んだくらいでペテロのこと忘れるわけがないだろう。そっちの方がよっぽど整合性が取れない! どんなへ理屈だろうとこじつけて弟のために蘇る、俺のこの物語は100%正しい」
ライはそのまま後ろを振り返り、弟に駆け寄って片手で抱き上げて走り出す。風景が風の速度で流れていく。
「さあ、行くぞペテロ。見たことのない景色を見せてやる。薄暗い炭鉱の生活は終わりだ。
きれいで洗練された物語なんざクソ食らえだ、俺がいてお前がいる、それが俺の物語の最低条件だ。今まで不幸だった分、いろんな夢を見せてやる。その指も直してやろう。高い服を着て車を乗り回そう。お前をバカにしたあいつらの顔を札束でひっぱたいてやろう」
そのまま走り続けたライは、もはや文脈も論理も無視して走る先に立っているすみれにすれ違い様手を伸ばし、
その手を握り、
「来るか? あんたも一緒に」
と言おうとして、
レンガで頭を殴られて倒れ込んだ。
「……わたしをか弱い少女だと侮りましたね」
「世話の焼ける人ですね」と手を差し伸べるヴィジャ。
「私の許可なく勝手にハッピーになろうとするからよ」と傲慢さを捨てないマドルチェ。
後ろからやってくるのは<クルセイダーズ>、劇場からライの後を追いかけてコインに触れ、そのままついてきた子供たちだ。
物語、それは人間が因果関係の認知のために獲得した生存機能かもしれない。
だがそれだけではない、物語は希望、勇気、そういったものの源泉でもある。
整合性? どうでもいいじゃあないか、そんなことは。
ある種の場合においては、ある種の物語はハッピーエンドでなければならないのだ。
行け、僕らのヒーローソード! 魔王ウォレスを倒すその時まで!
ライ・ハートフィールド(完)
niv先生の次回作にご期待ください。
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