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HP48/知2/技6
・調理実演/24/18/9 吸収
・千切り/6/0/3 凍結
1:相手の防御力が5以下なら「千切り」。
2:自分のHPが24以下なら「調理実演」。
3:さもなくば「調理実演」。
女。
食堂経営。
リリオット中心部から北に外れた商店街内に構える食堂「ラペコーナ」。
味は及第点並みだが、安価で量が多く、ほぼ終日営業に加え持帰りも可なので、
客足はそれなりに多い。店内は定員50名程の広さ。街道面のテラス席あり。
客層は、精霊鉱夫や、リソースガードの駆け出し傭兵、他肉体系労働者が主。
マーヤは片田舎から出てきた身で、居候しながら働いている。
数年前にリリオットに来た後行方不明となった兄を探している。
能力の低い自身への劣等感が強い。吝嗇家。
Nコ(えぬこ)
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第5の月 19日 ノームの日 晴れのち雨
今朝の仕込みの時、レディオコーストの東壁がやけに紅く染まってるなーと思ったら、
昼過ぎから叩き付ける様な雨が降ってきてビックリした('0')
店長曰く、これからの時期、そんなに珍しい事って訳でもないみたい。
今は猫の目みたいに細い月が登ってる。高地の所為かな、故郷で見てたのよりおっきい。
えーと、今日から日記を書くことにした。記録と情報整理の意味合いは勿論、
優柔不断で浮沈み激しいあたしが、迷わないようにする為に。…なるたけ明るくね!(笑)
こっち来て暫くは、お店の忙しさや街の喧騒に疲れて、閉店後は眠りこけるだけだったけれど、
今ではやっと、こうして出来た夜の時間に、日記を書いたりする余力も出てきた。
ここでの仕事や生活にも大分慣れてきた。試用期間も終わりお休みの日を貰える様にもなった。
少しずつ貯めてきたお給料で、ギルドクエスト仲・・・介所?で人探しを依頼出来るかもしれない。
明日から本格的に、おにいを探す活動を始めよう。
元々、のんびり屋さんなのが珠に傷だけど、あたしなんかと違って強いおにいだし、
成人した男子が外部に出て帰って来ないなんて、なんら珍しい話じゃない。
おとう始め、皆「単に音信不通なだけだろ」って心配してなかった。
あたしもその点は同じだったけど…おにいに会いたい気持ちはずっと消せなくて、
こっそり準備を進めて、成人の儀が済むのを待てずに、リリオットへ飛び出てきてしまった。
それをこうやってやっと落ち着き始めた今になって振り返るに、
臆病なあたしにしては良く思い切ったよなー…と、少し怖く感じる。
でも悪い癖の堂々巡りな後悔は、もう止めるんだ。
具体的な行動は…、まずは図書館に行こうかな、リリオットの事をもっと良く知らないと。
それから仲介所ってのにも行ってみて…、忙しくなりそう。
でもあたしはめげずに頑張るのだ!o(^-^)o また、おにいのあの優しい顔が見たいから。
★本日の気になるお客さま
最近お店に来てくれる、箒持った白い髪の女(ひと)。
こないだの店内大掃除の際、手伝いを依頼してから、店長は彼女の事がお気に入り。
なんでも、彼女の故郷の知恵で「使用済みの茶葉を床に撒いてからの掃き掃除」に、
「埃がたたねえ!臭いも消える!」とえらく感心したそうだ。
(でもあの茶葉ならもう1回位は飲めそうだったのに…あたしとしては複雑だ。)
それに彼女は義理堅いというか、仕事に決して手を抜かない丁寧な所作と、
更には、女のあたしから見ても惹かれる容姿も相まって(これが要因として最大か?笑)、
以来、時折ある店内大掃除手伝いの“約束”の代わりに、
彼女はいつお店に来ても歓迎!ってことになってる。
その華奢な身体に反して彼女は良く食べる。まるで男の人みたいに。
ご飯を美味しそうに食べてくれる人は好き(^^)こっちも作りがいがあるってもんさ!
機会あれば話し掛けたいんだけど…人見知り強いあたしには中々なー(*ノ_ ノ)
★おにい情報
なし。
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第5の月 23日 ウンディーネの日 晴れ
今日もお店忙しかったー疲れたー(´`)
今夜の月も細長いなー…。
おにいについては、こないだのお休み以来、たいした進展ナシ。
まとめてみても、街の全体像がやっと把握出来てきた事と、
とりあえず図書館から借りてきた本とかから、
この都市の情勢?とかが少ししずつ解ってきただけだなあ。
あたしはあんまり頭も良くない…。
長閑な田舎暮らしだったから、世相なんて気にかけた事もなかった。
加えて、ここリリオットの公用語も、あたし達の使っていたそれとは少し違う事もあって、
ただ本を読むだけでも思ってたより骨が折れるよ。
まあそんなすぐに色々進まないかあ…いきなりめげそうだけれど。
店長からは「夜間と、裏路地の徘徊だけはするな」って注意される。
黒髪のあたしは、日中の公道や施設はともかく、
こと裏路地なんかは、黒髪ってだけで何されてもおかしくないらしい。
何されても…か。まあ殺されたりとかは…流石に、ねえ?(笑)
この辺の街の仕組みも、頭の中でやっとなんとなく繋がり始めてきた。
おにいは無事なんだろうか、ふとそんな不安も過ぎるけれど。
心配性はあたしの悪い癖。おにいなら大丈夫。
★本日の気になるお客さま
お昼にお弁当を買っていった、緑色のツナギを着たお兄さん。
後で店長が言うには公的機関の清掃員さんだそうで、確かに街中でたまに見かける制服だ。
ただ、あたしの言葉遣いが変でよそ者だと知られたからか、
それとも掃除がいい加減な店内が目に付いたからか、よく解らないけれど、
お会計の時あわせた目が、誠実そうなその声とは裏腹に、少し鋭かった気がする…('*';)
(真面目で良さそうな人だなーって感じただけに、ちょっと落ち込みました…。)
でもそれより印象に残ったのは、彼の片足。異質な匂い、あのお兄さんは義足だ。
でもあたしの体質がなければ、義足なんて気付けない程、彼の所作には何の違和感もなかった。
精霊採掘盛んなこの都市で、事故や怪我で手足を失うのは珍しくないのかも知れないけれど、
あんな義足はお目に掛かった事がない。そんな技術やそれを扱う技師が存在するのかな。
…お金、もの凄く掛かりそうだけれど…。
★おにい情報
なし。
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第5の月 26日 ノームの日 夕方に雨
開けた窓からはちょっと太ってきた月が見える。
湿気を帯びた風も入り込んで、ぼんやりした今はそれが心地良い。
今日はお休みの日だったから、朝から出かけて、
いよいよクエスト仲介所という施設に、おにい探しの依頼に向かった。
摺りガラスの戸を開けて入った屋内は、強そうな…傭兵さん?が一杯だった。
外から来た者の働き口は、まずここが手っ取り早いと耳にはするけれど、
調理しか出来ない上、鈍臭いあたしには、やっぱり到底無理そうだなー…(´_`)
お店でも傭兵さんはお客さまとして来るけれど、
ここで見る彼らは少し怖いように感じるし、こうも大勢だと圧倒される。
受付はごった返していて気後れする。幾分空いた頃合を見つけて、
一番話し掛け易そうな可愛らしい(姉妹っぽい?)受付嬢さんに話しかけた。
結果…相場を読み誤っていた。充分足りると思ってた依頼金は、
今度のお給料を全部足してなんとか…と言った具合だった。
我ながら情けない声を上げて、思考停止してしまった(苦笑)
隣で手続きしていたお金持ちそうなおばさんからの、呆れた様な視線が痛い。
受付嬢さんの、困ったような笑顔が余計に苦しい。
何をするにもお金がいるのだ。それに見通しが甘かった。
あたしは、いつも、いつもこうだ。嫌になる。
考え方が幼稚で浅はかで、目の前の皆の世界との距離は遠くて届かなくて。
ああほらまたお得意の悲観思考の歯車が回り始めて止まらない。
そんな暗げな気持ちのまま受付を離れ、備え付けの椅子で暫く俯いてたら、
頭の上から「痛いの痛いの飛んでいけ〜」って声がした。
驚いて顔を上げると、その黒髪の女性はふわりと優しい微笑みを返してくれた。
すぐに彼女は向こうから呼ばれたらしく(コイン?がどうとか聞こえた…?)、
話す間もなく、その独特なツーテールを揺らしながら行ってしまって、
でもあたしは不思議と少し身体があったかく軽くなった気がしたんだ。
あんな人もいるんだなー。見た感じ傭兵さんらしくない雰囲気だったけど…?
仲介所を出たのは、正午を知らせる鐘を聞く少し前。
その後、図書館に行き、街も散策しながら、雨が降る前にお店に帰ってきた。
リリオットはホントにおっきい。
便利な施設や、お店がいっぱい揃ってるし、いつだって賑やかだ。
なにより故郷では見たこともないような、食材。
メイン・ストリートの市場に行けばその美味しそうな匂いに、
ちょっとだけつまみ食いしたくなる…けど我慢しなきゃ(`へ´)
華やかさの反面、暗い影を落とす人達もこの街にはいるんだ。
物乞いの人も多かったなー…。あの人達とあたしとの差なんて何もない。
リリオットに駆け込んだは良いものの、勢いだけだったあたしが、
こうして今の宿と仕事が得られたのは、単に運が良かったんだ。それだけ。
故郷ではおちこぼれだったあたしも、ここではそれを咎められる事もない。
大きな街、あたしを知らないでいてくれる人達。
無能なのは依然変わらないけれど、放って置いてくれる心地良さ。
そんな事思い巡らしていたら、おにいの作った料理が食べたくなった。
★おにい情報
なし。
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